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2. 売り時の見極め方

株式投資でもっとも難しいのは「売り時の判断」と言われます。
そこで今回は、内外の投資研究文献などを調査し、「売り時の判断」の手法を5つまとめてみました。ご紹介した中から、お客様それぞれにあった方法を見つけていただくことができれば幸いです。

1.実施することに意義のある「ロス・カット」

「ロス・カット」は、単純ですが、非常に有効な売り手法として知られています。

「ロス・カット」とは、「買値から一定幅だけ下がった場合に売却するというもの」で、ストップ・ロスともいいます。銘柄の特性(値動きの荒さなど)で銘柄個別に値幅を設定しても良いですし、一律でとにかく20%下がったら売却するなどと決めてもよいでしょう。傷が浅い内に処理し、より有望な銘柄へ資金を振り向ける方が、資金の効率を考えると格段の差。そして、取り返しのつかない損失や塩漬けを防ぐことにもなります。

「ロス・カット」は、平易な投資手法に思われますが、実はなかなか実践できない手法で、実践することで大きな効果を発揮する手法です。特に、乱高下するリスクの高い銘柄や、期日という制約のある信用取引等で資金運用をされる場合は、極めて有効な手法と言えます。

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2.投資にしっかりした根拠を求めるならテクニカル分析

二番目はテクニカル分析です。移動平均線からの乖離、過去の高値、新値足の陰転など、いろいろな分析手法があります。すべての手法に共通するのは、過去の値動きから将来を予測しようとするところ。一見難しい分析のようですが、たとえば価格の上下変動幅を算出し、それよりも上回る時は高値圏と判断して売り、下回るときには買うというやり方(ボリンジャーバンド等)があります。

ただし、テクニカル分析に万能なものはありません。相場の性質を把握して、手法をうまく適用させることが必要です。また、相場が大きく動くときには、過去の値動きから相場を読むことは難しいとも言えます。

3.企業業績に基づくファンダメンタルズ分析

三番目は、個々の企業業績を重視するファンダメンタルズ分析です。

基本は、業績の見通しが上向きの時期に買い付け、逆に業績の下方修正などにつながる悪材料が出てきたところで売るというものです。相場を買うのではなく、その企業を買うという発想。株価は中長期で見れば、企業業績を反映しますから、本来的に理に叶った方法と言えます。

ただ、好材料が出ても株価が上がらないときは、相場に織込み済みと判断でき、一段の上昇は期待できないので売却、といった判断もします。「天井相場の好材料は売り」という格言ともあい通じるところでしょう。
このようにファンダメンタルズ分析では、“新しい材料”が出たときの市場の反応をよく見極めることが重要です。

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4.一銘柄への投資額が大きいならポジションコントロール

四番目の手法は、保有する株式のポジション(時価総額)を一定に維持するというものです。

株価が上がれば一定の株式を売却し、逆に株価が下がれば買い増しします。常にポジションが一定額になるようコントロールすることで上昇相場の場合は利益を早めに確定でき、値下がりしたときには買い付け単価を下げることになるわけです。あまりなじみのない手法かもしれませんが、かなり実用性の高い手法なのです。

5.売り時で迷うこと100%なし!バイ・アンド・ホールド

最後は、まさに単純明快な手法です。その名も「バイ・アンド・ホールド」。これぞという銘柄を買ったら(=バイ)、基本的にずっと持ち続けます(=ホールド)。

売り時の判断はただひとつ、「お金が必要になったとき」。

ポイントは、良い銘柄をえらぶことと、長期保有すること。相場に踊らされない、売り時も迷うことのない、“果報は寝て待て”といったところでしょうか。投資額全体の何割かをこういうやり方にしておくというのも、ひとつの手法です。

自分にあった「売り」手法は?
5つの手法はいかがだったでしょうか?「理屈は分かるけど、自分ができるかどうかが問題」というところかと思います。
アドバイザーとして私たちを使っていただく事も有効な手段です。山和では情報提供力の一層の充実を図っていますので、ぜひ私たちをご活用ください。

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