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マーケットコラム(2024年4月22日号)

 22日の日経平均株価は、前日比370.26円高の37,438.61円となり反発。中東での地政学リスクがやや後退したことを受けて、買い戻しの動きが優勢となった。一方、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)など半導体関連に対しては、利益確定の動きが続き軟調な動きとなった。業種別騰落率では電気・ガス業が+3.60%となり上昇率首位。次いで、空運業が+3.21%、陸運業が+2.60%となった。一方、下落した業種は鉱業が-0.59%となり下落率首位。次いで石油石炭製品が-0.06%となった。東証グロース市場250指数は+1.96%となり反発した。

 先週のASML、TSMCの決算発表を受けて半導体関連の下落が目立っているが、両社の決算では中国とAI関連の好調が確認できた他、半導体市況が回復局面にあり、25年は循環的な好況期となるとの見通しが維持されており、アドバンテスト(6857)や東京エレクトロン(8035)など、AIや中国関連に強みを持つ企業については、足元の株価調整局面は良い拾い場になることが期待される。

 ASMLによると、半導体の在庫レベルは改善を続けており、ロジック、メモリの両方で露光装置の使用率が継続的に回復し、年後半の業績は増収へ転換する見込み。半導体サイクルの好転に備えるため、生産能力の向上と技術開発の両方に取り組む方針を示した。TSMCはAI需要がけん引し24年は四半期ごとに業績が拡大し、通年の収益はドルベースで20%前半から半ば増加する見込み。ほぼすべてのAIイノベーターがTSMCと協力しており、24年はAIプロセッサー(GPU、AIアクセラレーター、トレーニング、推論機能を実行するCPU)による収益貢献が従来比2倍以上に達し、24年の収益の10%前半を占める見込み。AIプロセッサー向け収益は今後5年間に年率50%で成長し、収益の比率は20%以上に増加するとしている。

 また、両社とも25年に量産開始予定の2nm技術に対する期待を示した。AIデータセンターでは電力の効率化が重要になるため、省エネ性能の高い2nm技術に対する顧客の関心が高い。2nmはデータセンター向けにも早い段階から使われることで、TSMCの大きな収益源となり、ASMLにとってEUV需要をけん引する次の波になる見込み。AI PC、AIスマホではニューラルプロセッサ用AIを内蔵することで、チップサイズが大きくなり、買い替えサイクルも早まりTSMCにとって非常にプラスになることが見込まれ、今後の事業環境はポジティブな状況が強まってくるものと思われる。